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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか

   

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)

本日読了しました。間違いなくこれ、素敵な書籍です。
久しぶりにのめりこむように哲学できたような気がします。
(ちなみに自分は哲学科卒・・・)

知性の記憶、身体の記憶、命の記憶。
実際の人の営みには、これら3点からみることができる記憶=歴史が存在する。現在よく語られる歴史は、まさに知性によって把握されているもの。

身体および命は、知性によって認識・把握・知覚されえない世界の、だが明確に存在している(いた)歴史。それらは知性の歴史にありがちな直線的な時間軸を持つものではなく、循環的で、積みあがっていくつながりの歴史。

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか。

その解は、我々自身がかつて豊かに持っていた3種類の記憶=歴史のうち、2つの系譜を失っている(失いつつある)ということを意味しています。そしてその転機は、1965年を境にスタートしたようですね。

高橋源一郎さんもオビで書かれていますが・・・

自分ももうきっと、キツネにはだまされない。

でもそれって哀しいことなんだなぁ、と本書を読んだ後ではしみじみ思います。
ちなみに文章は、こんな風に自分も書けたらいいなぁと憧れてしまう端正さ。

また折に触れて再読したい。
自分がなにを失っているのかを知りたい方はぜひ。

 - 書評のようなもの