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Chance favors the prepared minds.

セリヌンティウスの舟

   

本日読了しました。妻のライブラリーから抜き読。

内容(「BOOK」データベースより)
荒れ狂う海で、六人のダイバーはお互いの身体をつかんで、ひとつの輪になった。米村美月、吉川清美、大橋麻子、三好保雄、磯崎義春、そして、僕、児島克 之。石垣島へのダイビングツアー。その大時化の海で遭難した六人は、信頼で結ばれた、かけがえのない仲間になった―。そんな僕らを突然、襲った、米村美月 の自殺。彼女はダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んだ。その死の意味をもう一度見つめ直すために、再び集まった五人の仲間は、一枚の写真に不 審を覚える。青酸カリの入っていた褐色の小瓶のキャップは、なぜ閉められていたのか?彼女の自殺に、協力者はいなかったのか?メロスの友、セリヌンティウスは、「疑心」の荒海の中に投げ出された。

他人同士だからこそ、美しくあれるという関係。
さらにお互いが力を合わせ、死線を超えた経験があればなおさら、です。

著者は以前レビューした、扉は閉ざされたまま石持浅海さん。
手法としては違いますが、書こうと思うところというか、書きたいことへのアプローチは一致しているように思いました。
一見ミステリーにおけるある種の「定番」を踏襲するようにみせつつ、全然違ったところへ、というカンジ。

本書は”信じる”ということが大きなテーマ。
前著に引き続き、相変わらず事件そのものの動機、根源はカオスというか・・・はてななんですけどねw
まぁ大きな意味でいうと、動機なんてものが一番納得するのもヘンなことなんで、個人的にはあまり嫌いではないです。

ラストシーンが哀しく綺麗で実に印象的。
シチュエーションとしては典型的なのかなとも思いますが、上手いなぁと。

石持さんの著作は結構文庫になっているようなので、色々読んでみようかな。

 - 書評のようなもの