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Chance favors the prepared minds.

生物と無生物のあいだ

   

ちょっと前に読了してました。相変わらずのゆっくりレビュー。。。

本の内容生きているとはどういうことか―謎を解くカギはジグソーパズルにある!?分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色をガラリと変える。

生物とは、無生物とは。そしてその“あいだ”とは。
サントリー学芸賞受賞のベストセラー。

まず格調高い序文から始まる文章のすばらしさ。
端正な日本語がつづられていく様は本当に心地よいリズム。すっとココロに入っていきます。
おかげで、本来ムツカシイはずの分子生物学における諸概念を普通に受け入れていく準備ができます。
比喩の巧みさは、文章表現としての美しさとともに“わかりやすさへの近道”でもありますからね。

ハイライトしたいエピソードだらけ、と悩ましいので、構成上のことをひとつだけ。研究者が「科学的に」成果を発表するとはどういうことなのか、を、それにまつわるダークサイド(とりまく人間の思惑などですね)を追いながら記述することで、1級の“ミステリー”として成立させていった手腕にはココロから賛辞を送りたいです。本来ムツカシイことを語っているのですが、興味を途切れさせません。スゴイなぁ。。

ちなみに本書のテーマ、生命とは何か、ですが・・・著者は「生命は自己複製を行うシステムである」という定説に“否”を突きつけます。
それでは表現が足らない、と。

では何か?

生命とは、動的平衡にある流れである

と結論付けています。
まぁ正直これだけですとよくわからないと思うんですがw
この書籍を読めばその“解”が、非常にエレガントなものであることを了解できると思います。

エピローグまで隙がなく、著者の生命への視線は感動的ですらあります。美しいです。
また同時に・・・底知れない哀しさもたたえています。その点についても、イチ生命として共感できるかもしれません。

評判に違わぬすばらしい書籍でした。はぁ、読んでよかった。堪能しました。
いまさらですけどw、おススメします。

 - newzy, 書評のようなもの