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犬―他一篇

   

犬―他一篇 (岩波文庫)

本日読了しました。
14年くらい前に古書店で買ったものです。

内容(「BOOK」データベースより)
回教徒軍の若い隊長に思いをよせる女の告白をきき、嫉妬と欲望に狂い悶えるバラモン僧は、呪法の力で女と己れを犬に化身させ、肉欲妄執の世界におぼれこむ。ユニークな設定を通し、人間の愛欲のもつ醜悪さを痛烈にえぐり出した異色作「犬」に、随筆「島守」を併収。著者入朱本に拠り伏字を埋めた。

現在部屋をより仕事仕様にするために模様替え中なのですが、もっともボリュームのある積読本たちを右から左に受け流している(これもすでに古典か)最中に発掘。その場で読み始めたらなんだかとまらず読了してしまいました。

「犬」は人間の醜悪さがテーマ。しかしテーマ性よりも、この時代の作家が持つ文体の強靭さというか、そういったものに久しぶりに触れたのでなんだか不思議な感覚になりましたね。やはり力のある文章に触れるのは揺れ動かされるものです。

著者の中勘助は『銀の匙』で有名ですが、そちらを先に読むよりこちらのほうから読むのがいいんじゃないかなぁ。逆に銀の匙を読んだらこちらは読まないほうがいいかもしれない(笑)

現在絶賛絶版中。再刊すべき!とまでは言わないけれど、これが読めない世界もつまらないのでは、と思う。古書店などで見かけたらぜひチェックしてみてください。

 - 書評のようなもの